臓器移植法のこと

うちはあちこちで「臓器移植推進が国策であり動かしがたいのであればA案しかなかろ?」と言いまくってるんでその立場で。
臓器移植法「改正」をめぐって

技術的な問題というのは、小児にはしばしば長期脳死というケースも見受けられ、じっさいの脳死判定がきわめて難しいということである。

これは確かにその通りなんです。まあ、大人でも確実とは言い難いのですが、子供の方がより難しいそうです。
んじゃ、どの程度確からしければ脳死=死と判定してよいのさ?って話になりますがね。
現状、医学的な指針が出ているのは6歳以上なんで、6歳以上は一応技術的に可能と見なされているということでしょうが、それとてきっちり線引きできる性質のもんじゃないですね。
どの程度確かならOKかは結局正確な判断はつかないんで、それらしいところでえいやっとやるしかないでしょう。
それが「乳幼児はいくら何でも無理だから6歳以上」なのか「国策としてどうしても必要だからちょっと怪しいけど0歳以上(=全員)」なのかは分かりませんが。

法律化されることによって、もやもやした倫理的な責めの意識が医療従事者からすっきり免除されることのほうを、わたしは怖れる。

これはうちの感覚では「ありえない」と思います。移植とか関係なしに医療従事者はそういう意識に苛まれながら医療を行っているからです。救急の現場とか見れば命の選択なんて日常茶飯事だと思いますし。
すっきり免除なんて傍目から見てるだけだから言えるわけで、実際にはそんな簡単なもんじゃないでしょう。むしろ、法律的にきっちり決めてあげることで彼らを少しでも楽にしてあげた方がいいんじゃないの?という気持ちの方が強いですね。
#まあ、うちも傍目で見てる側の人ですけどwww

「納得」ということは、果てしのない議論からどちらも最後まで降りなかった、逃げなかったということの確認のあとにしか、生まれてこない。

ごもっとも。確かにその通り。納得でしか解決できないのもおっしゃる通り…なのですが、じゃあ今回の件でその果てしない議論は誰ができるんでしょうか?間違いなく10年どころの騒ぎではない議論になります。その間にまた医療技術が進歩しますから議論の前提も変わってきます。
つまり、離婚の調停あたりとは根本的に背景が異なるってことです。
10年間放置の怠慢は確かに責められてしかるべきですが、徹底的に議論しろというのも空論に過ぎないと思います。
 
日本の政治は外圧でしか動けないとかよく言われますが、外圧でしか決着できないこともあるんだと思います。
英断か蛮勇か分かりませんが、決めなきゃ話が進まない。
#「現状のままいく、絶対変えない!」または「臓器移植は全面禁止!」というのも一つの決定なんで、それが国策であればあり、です